Skip to content

素材のこと

素材のこと Material

クバ

クバ

宮古島で一枚の葉っぱでつくられた「クバのかご」と出合い、植物の造形美、そして、素材の美しさに惹かれ、自分でもつくってみたいと思ったのが、民具づくりを始めた最初のきっかけです。このクバは、ビロウと呼ばれるヤシ科の植物で、沖縄では御嶽(うたき)と呼ばれる拝みの場所に生えていることが多く、神聖な植物として知られています。と同時に、繊維が強く、水を弾くという性質があるため、かごや水汲みなど、暮らしの道具として用いられてきました。伊平屋島には3種類のクバが島のあちこちに自生しており、山に入って素材となるクバの葉を採るところから、作品づくりはスタートします。採ってきたクバの葉は、太陽と風に充て、乾燥させ、作る時には、水で戻して使うのですが、見た目とは裏腹に手によく馴染むのです。新芽やその次の葉、クバの種類によって部位を分け、特性に合わせた場所で使用し、クバやトレイ、マース袋をつくっています。

月桃

月桃

沖縄ではサンニンと呼ばれる独特の香りを持つショウガ科の月桃。民具では根から切り、葉を落とし、何層にもなる茎を剥いで使用します。テープ状にしたものを編んだり、細かく裂いて縄にしたりするため、採る時は、できるだけ長いものを選び、無駄のないように使います。光沢のある優しい風合いが特徴です。

アダン

アダン

伊平屋島の海岸線沿いを走ると、パイナップルに似た実をつけたアダンの木を見ることができます。このアダンの葉も民具づくりには欠かせません。葉は棘があるため、一枚ずつ棘を取り、乾燥させ、アダンのサンキャッチャーやバングルをつくっています。また、木根を裂いて縄にして、バッグなどを編んでいます。月桃に比べ、粗野でメンズライクな質感が魅力です。

マーニ

マーニ

ヤシ科の植物で、和名はクロツグ。もともとは祭祀行事の時の仮装や、坂道を滑る子どもの草玩具(ソリ)として使われていました。葉の種類でよりわけ、草玩具(バッタや魚)をつくっています。大きい葉はディスプレイの商材を編むのに大活躍しています。枯れてもなお美しく、オブジェとしても最適です。

稲藁

稲藁

山があるがゆえに水に恵まれている伊平屋島は、沖縄では珍しいお米の名産地です。暖かい地域ならではの二毛作が可能で、7月と11月に収穫します。7月の方が生育に時間をかけるので長く、しめ飾りに適しています。種水土花のある我喜屋地区では大綱引きがあり、その材料となることから、カットされていない長い状態の稲藁を農家さんに分けていただいています。

ススキ

ススキ

沖縄のススキの収穫時期は年明け、1月から2月。薹が立たない前のものを見極め一本ずつ手刈りし、茎を剥いて、中の芯を出していきます。また、穂は最後までふわふわを落とすために、海でブラッシングします。冬の時期の沖縄は雨が多く、湿気も多いため、植物をきれいに仕上げていくのは苦労が尽きず、時間も思った以上にかかりますが、ここで手をかけることで、美しい素材となります。